虎の門病院は、1958年の病院開設以来、日本の高度先進医療を担ってきた日本の代表的な病院の一つであると同時に、臨床研究の分野でも長い歴史と実積があり、受入研修の場として理想的な環境を整えている。
a) きめ細かく各個人のニーズに合わせて手作り的な研修プログラムが作成され、効率が良い。
b) 再研修プログラムによって、研修の個人別長期的フォローが可能となっている。
c) フォローアップ研修により、日本では医師法上不可能な実技指導を研修生の派遣元医療機関で実施する。
特に上記 b),c) により、研修プログラムが長期的且つ持続的となることが特色であり、医療技術知識、技量というソフト面での国際協力活動として高い成果を挙げている。
各国の中核的国立大学等公的医療機関の優秀な医師を受入の対象とし、研修後は派遣元に復帰することを条件としている。卒業生の多くは派遣元で指導的役割を担っており、夫々の国の医療技術水準向上に大きく貢献している。
日本での研修期間中、研修生が日本の一般的な生活をより良く体験出来るように環境を整えると同時に、研修生の各種の疑問や要望に答えるため、スタッフが日常的にバックアップしている。また、日本の歴史学習に加え、京都、奈良へのスタディツアーなどを実施し、日本の文化、伝統、歴史に対する理解を深める場を設けている。
1982年の発足以来30年を超える長い歴史を持つ。このプロジェクトと卒業生および派遣元との間では、継続的なコミュニケーションを通じて、太いパイプを維持しており、また各派遣元の卒業生は、「Toranomon graduate」として、このプロジェクトを中心に纏まりを持っている。
通産省のプロジェクトとして始まった当初から、日本と東南アジア諸国との「心と心の交流」を基本理念とする純粋な国際貢献、国際親善促進のプロジェクトであった。
現在も、その理念を忠実に引き継ぎ、事業は官民協力の下で実施されている。しかも全ての資金は、この理念に賛同する民間企業からの寄付金で成り立っている。